2020年6月、改正食品衛生法が施行され、各食品関連事業者にHACCP導入が義務付けられました。2021年5月いっぱいは移行期間ということで罰則はありませんでしたが、その移行期間もいよいよ終了し、完全施行の日である2021年6月1日を迎えました。 HACCP導入には、今までにない文書作成や記録の保持など事務的な作業が増大する側面もありますが、これまであえて言葉や数値に置き換えなかった食品製造のコツやツボを新入社員や後継者など次代の人々に受け継いでいくことができるとうい大きなメリットがあります。 あなたが大切に育んできた技術や知識、そして経験をあなた世代で終わらせることなく引き継いでいく、そんな場面でお手伝いができればこんなにうれしいことはありません。
きっかけは、子の親になったこと。
私が食品衛生に関心を持ったきっかけは、娘が生まれた事です。たぶん初めて子を持った人なら同じように不安を持ったと思いますが、「いったいどんな食べ物を与えれば良いのだろう。今、与えている食べ物は果たして安全なのだろうか」と、誰しもが、こんな疑問を持ったことだと思います。そして消費者としての自分にできることは、安心して与えることのできる食べ物をしっかりチョイスすること、その為に勉強することだと思い至りました。よくよく調べていくと、アレルギーに関しての食品問題や、嘘の表示や表示の書き換えなど、テレビや新聞に載るニュースだけでもの多くの不安材料がありました。
今や、日本各地から、そして世界各国からの食品を簡単に手にすることができます。その中でも新鮮さや生産者の顔が伺える地元食材の「地産地消」には大きな魅力があります。私が、地元志向の食品衛生の実践を始めたのは、これが理由です。
「不易流行」
敬愛するある御仁から教わった言葉です。松尾芭蕉が唱えた俳句の理念の一つだそうで、変わらないもの(変えてはいけないもの)と常に変化し続けるものは、一つの事物の中に併存し、その両方が大切なものだという意味があるそうです。
今の社会にも通用する大切な心得であると信じており、私が今、進めようとしている食品関連の事業所に対するアプローチも、このことを常に念頭に置いています。 これまでに培ってきた経験や守り続ける伝統の味、製造手法と新しいシステムであるHACCPによる管理手法。まさに食品における「不易流行」の実践に他ならないことではないでしょうか。
「互敬の念」
互恵の念という言葉はよく使われます。読んで字の通り、互いに利益を供与しあう関係を表し、その思いを共有する意味で使われます。あえて当て字になりますが、私は「敬」の字で「互敬の念」と申し上げたいと思うのです。どんな小さな約束でも、一方的な宣言でも、社会のことやお互いの立場や考えを尊重し、人それぞれが持つ正義や信念に敬意を持って臨むべきであると考えています。その為には、互いに同じ程度に物事を深く考え、アドバイスや苦言にも心から耳を傾けることが大切です。この「互敬の念」の思いの先にこそ、社会全体に調和する本当の「互恵」が成立しうる世の中であってほしいと願っています。
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